
女性と便秘(1)-なぜ女性は便秘しやすい?-
毎日の診療で、便秘の悩みをおっしゃる方が少なくありません。世代によらず、多くの女性にとって便秘は日常の悩みの一つとなっています。
~女性と便秘の関係~
女性はホルモンバランスで便秘しやすくなります。排卵後や妊娠中に増加する「黄体ホルモン」「プロゲステロン」は身体に水を貯める作用があり、腸内の水分が不足し便秘の傾向となります。ホルモンバランス以外でも「冷え」「ダイエット」「運動不足」などが原因となります。
~腸内環境~
便秘は簡単にいうと「腐ったものを腸内にためている」ことです。腸内に悪玉菌が増えて有害物質がたまり、身体へ様々な悪影響を及ぼします。
基本的に毎日排便無い場合は「便秘」と考えましょう。
~食べないダイエットに注意!~
体重を落とすことを重視するあまり、食物繊維不足や水分不足で便秘状態が続くと代謝が下がり「太りやすい身体」になってしまいます。肌荒れの原因にもなります。ダイエット中で便秘をしているのなら、注意してくださいね
妊活の心得(4)-鉄の摂取について-
女性は男性に比べて鉄分が不足しがちです。「月経」により鉄分が消費されるからです。貧血は、頭痛・めまい・立ちく
らみ などの自覚症状のほか、体中の酸欠が続き顔色がくすみ、老化を早めます。
~妊娠準備の鉄分摂取とは~
「妊娠したら月経が休止するため、鉄不足が解消される」と思いがちですが‘赤ちゃんと自分の鉄分が必要’に
なるためより不足します。また妊娠中は自然現象として血液が薄くなるためさらに貧血に注意が必要です。
~1日の鉄摂取量~
妊娠中の1日摂取推奨は約20mg、妊娠前の約倍になります。(グラフ参照☆)あさり、レバー、などに多く含ま
れています。
~自覚症状のない貧血に注意!~
慢性的な鉄分不足などでゆっくり貧血が進行していると自覚症状が出ない方もいらっしゃいます。妊娠を考える
とき、一度貧血がないか婦人科で相談するのもいいでしょう。子宮筋腫や子宮内膜症など貧血になりやすい病気のチェックもでき
ますよ
妊活の心得(3)-カルシウムの摂取について-
日本女性の摂取栄養素の中でカルシウムと鉄はとくに不足しています。
カルシウムは骨や歯の形成に欠かせない栄養素です。カルシウム不足は「イライラ」などメンタルにも影響するので注意が必要です。
~妊娠準備にカルシウムと骨密度を蓄える~
赤ちゃんに必要なカルシウムはすべてお母さんの骨からとられます。カルシウム摂取だけでなく、軽い運動習慣により骨づくりもしておきましょう。妊娠する前から蓄えでおくことが大切です。
~1日のカルシウム摂取量~
妊娠中の1日摂取推奨は600~700mg(一つの食材で摂れる目安☆)
食品で摂ることが難しい場合はサプリメントで補っても可です。
~母乳で喪失するカルシウム~
母乳で育てる場合、1日約210mgのカルシウムが喪失するとされています。出産後に骨粗しょう症となり骨折してしまったというケースもあります。出産後も授乳中は特に意識して600~700にプラス200mg、カルシウムを摂りましょう
妊活の心得(2)-葉酸の摂取について-
赤ちゃんの脳の形成に大切な栄養素として「葉酸」はよく知られていますね。
では葉酸の摂取はどのようにしたらよいのでしょうか、また実際に葉酸はどのような役割を果たしているのでしょう。
~葉酸摂取のタイミング~
赤ちゃんの脳は妊娠6週にはほとんど出来上がっています。生理が遅れたな、と思ったころには出来上がっているのです。そのため、妊娠する前の「子どもが欲しい!」と思った段階で積極的に摂取することをお勧めします。
~多くの妊婦で葉酸摂取が不足~
妊娠初期の女性の多くが葉酸不足といわれています。(☆グラフ)
1日摂取推奨は400μg(一つの食材に例えたら☆☆)、ただし1mg以上の過剰摂取は注意が必要です。
~脳の形成以外の役割~
最近の研究報告で、葉酸の胎児に対する遺伝子発現への影響、血圧への影響などが明らかとされてきています。上手に摂取しておきたい大事な栄養素ですね
妊活の心得(1)-胎内栄養環境に注意!-
日本では30年ほど前から低出生体重(2,500g以下)の赤ちゃんが増えています。
2008年では10人に1人が低出生児という統計が出ており、この割合はOECD加盟国(先進30ヵ国)の中でトップになります。日本の将来に不安を感じさせるデータと言えます。
~低出生体重児のリスク~
「受精周辺期、胎芽期、胎児期、乳児期に低栄養や過量栄養にさらされると成人病の素因が形成される」という説が提唱されました。その後には、出生体重が低いと「心疾患、糖尿病、高血圧、脳梗塞、脂質異常症、神経発達異常」といった病気のリスクになることが明らかとされてきました。
~妊娠中の体重管理~
妊娠中はホルモンバランスで太りやすくなります。妊娠前に肥満があって医師に注意をうけている場合は別として、やせ~ふつう体型の妊婦さんは、過度な体重管理はかえって赤ちゃんの将来のリスクにつながります。(糖質・脂質の摂りすぎには注意が必要ですが、低栄養にならないように気をつけましょう。妊娠を通して7~13kg増加くらいが良いと思います
女性の片頭痛(4)-世代別の治療法-
女性ホルモンの動きと関連する女性の頭痛、ホルモンの状態によって世代別に治療法が変わります。
~月経関連の片頭痛~
月経前緊張症(排卵後~生理前にかけて身体や気持ちの不調があらわれる)や月経開始時の頭痛には、ホルモンバランス
の波をなだらかにする「低用量ピル」がおすすめです。
低用量ピルは月経痛も軽くなるので鎮痛剤を使う量もぐっと減り、楽になりますよ
(当院でも処方しているピル☆)
~閉経前後の片頭痛~
女性ホルモンの急減する更年期世代の頭痛には、ホルモンを補う「ホルモン補充療法」で効果が期待できます。
~頭痛は子どもの頃から対策を!~
更年期世代を過ぎると血管が硬くなり、拡張しにくくなるため一般に片頭痛症状は落ち着きます。しかし脳に「悪いエネ
ルギー」がたまってしまい原因不明の「めまい・耳鳴り」など脳が過敏になる症状が出ることがあります。
これらの予防には子どもの頃から早めの頭痛対策が大切です。お子様のいらっしゃる方は注意してあげてくださいね。
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